9月労働相談事例  福祉施設で働くBさんの解雇事件です。解雇をめぐる手続きでは、使用者に対し就業規則にそった手続きであったか、労基法や労契法にそった適法なものであったかどうかが問われます。

 

9月労働相談事例

 

 Bさんの場合、使用者から労基署への「解雇予告除外申請」がおこなわれなかったので、労基署からの指摘で30日分の解雇予告手当が支払われました。

解雇をめぐっての労働相談の多くは不当解雇です。以下労基法など解雇規制に関する法令などを紹介します。

 

テキスト ボックス: 解雇は、法令で定められた制限や手続き、労使間で定めた(就業規則)必要な手続き等遵守するとともに、十分な労使間での話し合いや労働者への説明を行うことが最低限必要。 (1) 解雇ルールの原則の明記 「解雇は、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当と認められないときは、権利の乱用で無効(労契法第16条) (2) 法令上の制限 労働基準法上の制限 ① 労災認定期間中及びその後30日間の解雇(労基法第19条) ② 産前産後の休業期間およびその後30日間の解雇(労基法19条) ③ 国籍、信条、社会的身分を理由とした解雇(労基法第3条) ④ 労働基準監督署への申告を理由とする解雇(労基法第104条) 男女雇用機会均等法上の制限 〇性別、婚姻、妊娠、出産、産前産後の休業を理由とした解雇(均等法第6条、第9条) 労働組合法上の制限 〇組合員であること、労働組合の正当な行為をしたことなどによる解雇(労組法第7条) 公益通報者保護法上の制限 〇公益通報(内部告発)を理由とする解雇(公益者保護法第3条) 改正労働契約法(H25年4月1日から)、 有期労働契約(期間の定めのあるパート、アルバイト、派遣等)で働くみなさんの解雇制限、改正法の三つのルール1.無期労働契約への転換*1 2.「雇止め法理」の法定化、3.不合理な労働条件の禁止が施行されました。  

 

 

有期契約、派遣のみなさんに適用される20184月からと、10月からのつのルール

 

1⇒ この41日から有期契約で「5年を過ぎると無期労働契約への転換」(無期転換ルール)が、101日から派遣労働の「個人単位による3年後の接触日」(3年直接雇用)がそれぞれ適用になります。いま各地ではじまっているのが、有期契約や派遣で働くみなさんへの違法・脱法な「雇止め」です。

 

 

 

会員のみなさんのお知り合いで、解雇や雇い止め、有期契約や派遣で働くみなさんへ東葛労働相談センターをご紹介ください。

 


10月相談事例 介護施設のコンプライアンスをめぐる労働相談

 

H244月からの改正介護保険法では、新たに●介護事業所の労働法規の遵守を徹底、事業所しての欠格要件及び取消要件に労働基準法等違反者を追加、とされ、介護施設は、介護保険法と労働法規の遵守が強く求められています。

 

M介護施設ではたらくBさんは、施設での日常の介護のあり方が介護保険法の「運営に関する基準」からはずれているのではないか、日常の入所者介護にあたって「入所者の意思及び人格の尊重し、常に入所者の立場に立ったサービスの提供」(介護保険法)にあたって禁止とされている行為(*1)との矛盾、またサービス残業ほか労基法違反がいくつもある、何とかしたい、どうしたらと悩んだ末の相談でした。 

  

1⇒介護保険指定基準において 禁止の対象となる具体的な行為

 

1.徘徊しないように、車いすやいす、ベッド に体幹や四肢をひも等で縛る。

 

2.転落しないように、ベッドに体幹や四肢を ひも等で縛る。

 

3.自分で降りられないように、ベッドを棚(サ イドレール)で囲む。

 

 4.点滴、経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。

 

 5.点滴、経管栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしらないように、手 指の機能を制限するミトン型の手袋等をつけ る。

 

6.車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったしないように、Y字型抑制帯や腰ベル ト、車いすテーブルをつける。

 

 7.立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する。

 

 8.脱衣やおむつはずしを制限するために、介 護衣(つなぎ服)を着せる。

 

 9.他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。

 

 10.行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。

 

 11.自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。

  

Bさんの雇用契約書から見られる問題点は…

 

Bさんの職場は、1ヶ月変形労働制をもとに、3つの勤務の組み合わせで勤務シフトが組まれています。当然雇用契約書には絶対的事項(必ず記載が必要*2)としての「2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項」が必要ですが、3つの勤務について始終業と休憩に関するのみが雇用契約書にあるだけでした。  

 

また、常態的なサービス残業があり、この一年で、116時間の残業計算に対し支払われた残業は2.5時間分だけでした。賞与は年3回の支給とされていますが、Bさんは「出たのは一回だけ」、深夜22時から翌5時までの深夜割増賃金(労基法37条)は「夜勤手当」に含まれるとされていて、「相当する時間外労働等の時間数又は金額を書面等で明示するなどして、通常の労働時間の賃金にあたる部分と割増賃金にあたる部分とを明確に区分」(厚労省通達)に違反する内容でした。

  

 2⇒絶対的明示事項(厚労省HPから作成) 

   
労働基準法第15条第1項、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」
絶対的明示事項 (1)労働契約の期間に関する事項
(2)就業の場所及び従業すべき業務に関する事項
(3)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項
(4)賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
相対的明示事項 (6)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項
(7)臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及びこれらに準ずる賃金並びに最低賃金額に関する事項
(8)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
(9)安全及び衛生に関する事項
(10)職業訓練に関する事項
(11)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
(12)表彰及び制裁に関する事項
(13)休職に関する事項
   
  (1)から(5)((4)の内、昇給に関する事項を除く)については書面の交付により明示

 

 

 

 


相談事例 典型的な若者使い捨て、ブラック企業に共通する手口

 Tさんは、無料求人情報誌に掲載されていたF社大手ネットスーパー宅配ドライバー募集の仕事に応募、入社しました。掲載されていた仕事内容は、◇大手スーパーの商品配達、◇週休2日、11002000 ◇社保完備で、面接では日給8,000+αになるという説明でした。

 

Tさんは入社後すぐに雇用契約書、社会保険への加入を求めましたが、応じてもらえませんでした。実際に配達仕事についてみると、10時から21時まで間に1便から1時間ごとに10便が組まれていて多い時で一日35件の配達で、ほぼ毎日の休憩時間が取れない状況が続きました。Tさんは再三、雇用契約と社会保険加入を要望しても応じてもらえず、それでも頑張って1ヶ月半働いた後、とても「納得がいかない」との相談でした。

 雇用契約なしは労基法第15条違反

 労基法第15条では、賃金や労働時間など銘の明示が定められています。求人情報とは違う労働時間で給与も口約束では明らかに労基法違反です。

 

 労基法第15条:使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、 労働時間その他の労働条件を明示しなければならないこの  

 場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示

 しなければならない。

 

労働保険、社会保険に未加入

  F社は株式会社なので、労働保険(労災、雇用)、社会保険(健保、年金)の強制適用事業所(法人で1人以上雇用の場合に該当)です。一週40時間以上の勤務時間で、面接の際に正社員採用を告げられていることから、F社はTさんの労働保険、社会保険に加入させようとしなかったのは、雇用保険法第7条違反、健康保険法第48条違反、厚生年金保険法第27条違反(それぞれ届け出義務違反)に該当します。

 

残業代不払いも

  Tさんの2ヶ月分の給与からサービス残業の実態がうかがえます。残業は始業時刻から終業時刻までの時間、毎日1時間半の休憩をとったことにして計算されていました。また週6日勤務で一週40時間を超す労働時間分に対しても労基法37条の割増賃金は払われてなく、サービス残業となっていました。労働相談センターの計算では、2ヶ月分だけでも約52000円でした。

 

典型的な若者使い捨て、ブラック企業に共通する手口

  この数年の労働相談から見て、F社のような手口が若者使い捨て企業に共通しています。●労働条件があいまい、雇用契約書を作らない、●休憩時間が一般的な「1時間」より長くなっていて、かつ休憩が取れない仕組み、●サービス残業は当たり前、法定どおりに残業代を支払わない、●労働保険、社会保険に入れない、などです。



相談事例 柏市内のK小規模介護施設の雇止め

 

59歳介護労働者Mさん、柏市内のK小規模介護施設で働きはじめて16ヶ月、7月で「雇止め」を通告されました。理由は「仕事が遅い」といわれたが、これまでトラブルなく働いてきたのに、「何故?」、「釈然としない、働き続けたいと伝えた」が雇止めされたとの相談でした。

 

…違法な雇止めは許されない…

 

労働契約法第19条では、有期労働契約の更新について、「更新の申し込みをした場合」は、●「反復して更新されたことがあるもの」で●「更新されることについて合理的な理由がある」場合は「当該申し込みを承諾したものとみなす」、とされています。Mさんの「雇止め」は、労働契約法第19条違反です。

 

…ほかにも、雇用・社会保険未加入、残業代不払いが…

 

Mさんは一日7.5時間、週休2日のパート契約、一週で平均37.5時間労働です。雇用保険、社会保険(健康保険、厚生年金保険)には未加入でした。Mさんが働いていた介護施設は特定非営利活動法人(NPO法人)のグループホームなので、両保険とも加入が義務付けられている強制適用事業所のはずです。

 

Mさんに支払われていた毎月給与を見ると、残業代が支払われた残業時間は1年半で計25時間分だけ、Mさんの勤務実績を調べてみると、実際の残業時間は174時間分でした。なんと150時間余りが不払でした。日々の残業計算が「30分未満切捨て」でおこなわれてきた結果です。

 

残業時間の「30分未満切り捨て」は、これまで寄せられてきた介護施設では共通していますし、トラック職場やその他の職場に共通したやり方です。

 

 

東京労働局 しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編 が参考になります


相談事例 建設労働者、雇用保険に未加入

 

47歳建設労働者Oさん、千葉県館山市に本社のあるA建設の東京支店に20162月に雇用され、M市の工事現場ではたらいていたが、20171月作業中に負傷、911日に労災認定されたが、10月末には症状固定で労災打ち切りとなった。障害補償給付は11等級と認定されたが弁護士さんを通じて審査請求をしている。失業保険を受給したいとの相談です。

 

Oさんは、常雇いではたらいていた建設労働者、A建設は株式会社で労働保険、社会保険は強制加入適用事業です。A建設はOさんをこれら保険に加入させていなかったのはまさに違法行為です。

 

Oさんは、労災保険にさかのぼっての加入で、やっと一年がかりで労災認定が取れたといいます。労災申請の時に、労基署から「雇用保険加入のアドバイスは受けていない」のは、管轄の違い(労基署とハローワーク)であっても、アドバイスがあれば、よかったのに、と思われます。

 

Oさんへは、まず「雇用保険は東京支店を管轄するハローワークに、給与明細か労災認定の書類をもっていって、強制遡及加入を申請したい」と相談すれば、さかのぼって加入できること。ただし失業保険は働く意思がないと受けられないこと。社会保険も管轄する年金事務所に行って同様手続きができる旨をアドバイスしました。

 

その後、労災で世話になった弁護士さんからA建設へ強制遡及加入を視野に雇用保険加入を進めるよう通知したとのことです。

 

参考:広島県雇用労働情報サイト 「わーくわくネットひろしま」から

 

2年間は,さかのぼって加入ができる

退職したあとになって初めて雇用保険に加入していなかったことが判明した場合には,さかのぼって加入するという方法があります。ただし,雇用保険に係る権利は,2年を経過したときは時効によって消滅しますので(同法第74条),さかのぼり加入ができるのは,2年間に限ってということになります。(雇用保険料が控除されていたことが確認された者については,2年を超えて遡及することができます(同法第14条,第22条)。) 
なお,雇用保険料は,労使双方が納付することとされていますので,労働者も過去の保険料について納付しなければなりません。

 

こんな対応を!

上に述べたように,原則,過去2年間分については,さかのぼって加入することが可能ですので,会社側に対して,雇用保険の加入を要求しましょう。要求が聞き入れられなかった場合は,会社の所在地を管轄するハローワークに相談してください。
なお,労働者の方が,自ら雇用保険の加入手続が適正に行われているか,ハローワークで確認することができます。(同法第8条)

 

 

 


相談事例 65歳を超えての失業保険は…

 

65歳を超えているSさん、失業保険が受給できるか、再就職後の雇用保険の適用について

 

3月に退職したが、まだ働き続けたい希望」のSさん、「失業保険」の受給と再就職後の雇用保険加入についての相談です。

 

H2911日から「雇用保険の適用拡大」で、65歳以上の労働者についても雇用保険の適用対象になります。T社に勤務中のSさんの心配は「雇用保険料をひかれていなかったから未加入では」とのことでしたが、制度改正時には65歳を超えていて「高年齢継続被保険者」でH31年度末までは「保険料の徴収が免除」となっているはずなので、会社に問い合わせてもらったところ、保険料は免除の扱いで雇用保険加入者として登録されていました。(図の例3

 

「高年齢継続被保険者」が失業して再就職を希望する場合、「高年齢求職者給付金」の支給

 

再就職を希望するSさんは、離職票をもってハローワークに出向き、失業の認定を受けたあと、50日分(おおむね給与額の6割、上限で6,370円)の高年齢求職者給付金(一時金)が受け取れることになりました。

 

 スマホで検索 「雇用保険の適用拡大」


相談事例 医療職場と介護関連の相談事例               R病院、夜勤時のうっかり寝過ごした看護師へ自己都合退職を強要    親の介護と仕事の両立が不安

R病院、夜勤時のうっかり寝過ごした看護師へ自己都合退職を強要

 夜勤専門パートで働くBさん(看護師)、夜勤勤務中に入院患者へのケアで手間取ったため疲れて横になってうっかり短時間寝てしまったことをけん責され、自己都合退職を強要されました。その後、自己都合退職を拒否すると「懲戒解雇」を示唆され、出勤停止で自宅待機が続いています。

 Bさんは「不注意による寝過ぎを反省しているのに自己都合で退職しろは理不尽」と訴えています。 

 

親の介護と仕事の両立が不安

 「親の介護で疲れ、仕事に身が入らなくなり上司から叱責された」との相談です。

厚労省は「仕事と介護の両立支援」をうたっています。介護休業制度、介護休暇制度のほか、残業規制や深夜業の制限、時間短縮などについて定め(育児・介護休業法)ていますが、制度活用が必ずしも進んでいないようです。

 「年5日取得可能」の介護休暇は大半の企業が無給です。まずは医療や介護の職場から有給化をめざす取り組みが求められています。また、介護休業は「対象家族1人につき通算して93日まで、3回を上限として分割して」取得でき、雇用保険加入者は「介護休業給付金」の支給を受けられる制度があります。こうした制度を上手に利用しながらの介護と仕事の両立を労使とも知恵を出し合っての工夫が必要です。

「仕事と介護の両立」お悩み相談、介護職場ではたらくみなさんの労働相談は

  千葉東葛ユニオン介護分会へ! 

  電話 050-1372-8622 メール okatu-center@tokatunokai-union.com  *「仕事と介護の両立支援制度」は厚労省HPから



相談事例  トラック運転手、過労死ラインを超える毎月100時間以上の長時間労働 仮眠する休憩所の改善要望を口実に、不当な解雇

 

 東京-長野間を主とするトラック運送F社で働いていたMさん、過労死ラインをゆうに超える毎月平均150時間の残業を強いられてきました。残業時間は、年間を通して残業協定を上回る時間数で、明らかに労基法違反でした。

 

 長野には夜中に着いて終業となり休憩所で仮眠、午後には始業というパターンの中、ゆっくりと仮眠できる休憩所改善の要望に対し、会社は解雇を言い渡してきました。Mさんは病気でもないのに、「就労不能者のレッテルは許せない」といいます。

  

 

F社の賃金にも問題があり、一昨年は最低賃金を下回る

 

 東京都の最低賃金額は、平成2710月から907円でした。Mさんの平成2710月から平成287月まで時間単価は882円で明らかに最低賃金を下回っていました。残業手当の計算は実際の労働実態に反映されず、ほぼ連日が深夜労働にもかかわらず深夜割増分も未払いが実態です。

 

Mさんは、解雇撤回と残業代など賃金未払い分の支払いを求めています。

 

  東葛労働相談センターにはトラック運転手からの相談が多く寄せられていますが、Mさん同様に、共通しているのが長時間労働と低賃金、その上に輪をかけた残業代など未払いです。相談に来るまで、よく事故を起こさずに頑張れたと驚きます。

 

 

 

 トラックなど運転業務や建設業、医師、一定の研究開発業務は、安倍「働き方改革」で、残業規制の適用除外とされています。これでは、「STOP! 過労死」(厚労省11月キャンペーン)は絵空事ではないでしょうか。

 



相談事例    県庁警備業務                                                                          「1カ月単位の変形労働時間制」を悪用、法定休日労働分・法定労働時間超分の割増分賃金不払い、深夜労働の割増分不払など労基法違反

 

 県庁の警備業務ではたらくMさんからの相談です。Mさんは県庁警備の受託業者O社の契約社員(一年ごと更新)、入社から退職までの3年間、おもにA勤・午前8時半から翌日8時半までの24時間拘束(実働15時間)とB勤・午後6時から翌午前8時半までの14時間30分拘束(実働9時間)の組み合わせで働いてきました。日給・月給ではたらくMさんは「長時間労働の割に給料が少ない、こんなものかとも思って働いてきたが、どうしても腑に落ちない」ので、日本共産党県議への相談を経て紹介されてきました。

 

  

 

 3年間の労働時間記録と賃金記録を調べると、「一ヶ月単位の変形労働時間制」を悪用したとしか思われない労基法違反がありました。①1週間当たり40時間の法定労働時間を超えての割増賃金分が払われない、②一週7日フルに勤務しても法定休日の割増分が払われない(以上①と②で3年間で約700時間分)③午後10時から翌5時までの深夜割増分が3年間で約1000時間分払われていない、ことがわかりました。

 

 

 

 他にも、就業規則で有給とされている忌引休暇が無給にされたり、定期昇給での恣意的な扱いで低い日給とされるなどの問題もでてきました。 

 

 

 

 県庁で警備の仕事に従事されているのは常時26人、このみなさんが共通してMさん同様の労基法違反などの賃金不払いがあったはずです。

 


相談事例 トラック運転手の過労死基準を超す過酷な長時間労働

 

野田市内のS運送ではたらくWさんからの相談です。主に建設資材などを届ける長距離もある運送に従事、早朝の3時~5時の出発も多く、2週間を休みなく働くことも、半年頑張り続けたが、「もう体力の限界、続かない」とのことでした。

 

  

 

トラック運転手の労働時間等改善基準(改善基準告示)では、「1カ月の拘束時間の限度」は原則293時間、「1カ月の時間外労働及び休日労働の限度は、「1箇月の拘束時間の限度」までの時間」です。改善基準告示では、他に「一日の拘束時間は16時間限度」、「休息時間は8時間以上(終了時刻から次の勤務始業時間まで)などが定められています

 

  

 

Wさんの5月の拘束時間の合計は改善告示基準を上回る360時間、実労働時間は336時間、残業時間は過労死ラインを超える153時間にもなります。ほぼ毎月が同様実態で働き続けてきました。

 

 

 

Wさんは、せめて改善基準告示にそった働き方、残業代など未払い分の支払いを求めています。

 



相談事例  介護施設 ささいなことに始末書強要、拒否したら懲戒解雇通告、残業は労基法違反の「30分未満切り捨て」でサービス残業に

 

G介護施設ではたらくSさんからの相談です。8月中旬、ささいなことから「始末書」を強要され、提出を拒否したら直ちに「出勤停止」、「懲戒解雇を通告」された、あまりにも理不尽との相談でした。背景には安直な使い捨て志向の経営体質があるようです。

 

 

 

G園の介護職員の約半数が非正規、非正規の多くが語学研修生です。介助をめぐる「ヒヤリハット」も多く、Sさんはより良い介護のためには入社時入社後の研修の充実、習熟度をたかめるロテーション移動、そして人手不足や習熟度の違いからおきる介護をめぐっての職員間トラブルを良い方向に解決していくための環境づくりが必要と訴えています。

 

 

 

 介助などで定時に終わらない分は、労基法違反の「30分未満切り捨て」で、ほぼただ働き(サービス残業)でした。そのため2年間の勤務実態を調べてみて、実際の残業時間を計算すると合計217時間なのに、支給された残業手当の時間数はわずか14時間分、200時間分がただ働きでした。

 



相談事例 レストランでのブラックバイト

 

柏市にあるショッピングセンター内のレストランではたらいていた青年Tさん、Kさんからの相談です。一日4時間~6時間シフトでパートのバイト勤務、一日の労働時間は「15分単位で切り捨て」、「残業代はなかった」などのただ働きがあったとの相談でした。

 

2年間の勤務時間記録と賃金台帳から、●一日の労働時間は15分単位で切り捨てられている、●一日8時間を超す労働日があるのに、その日の125/100の割増分が出ていない、●日曜から土曜まで一週間の連続勤務で「法定休日」出勤なのに、135/100の割り増し分が支給されていない、ことが明らかになりました。

この2年間での不払いの労働時間数とその不払い額は下表のとおりとなります。

Tさん、Kさんのお二人からの相談は退職後一月ほどたってからでした。バイトをはじめたのは2年前から、継続勤務6カ月後から取れる「年次有給休暇」については雇用契約書に記載されず説明もされなかったといいます。労基法では労働契約書への「休日」の明示が定められています。

 

 

 

≪お役立ち情報≫

高校生、大学生のみなさん、バイトに就く前に、お読みください。

全労連発行 検索「権利手帳」

 



相談事例  タクシー労働者、垣間見える労基法違反の労働実態

 

 千葉県内大手タクシー会社で働く労働者からの相談です。

 

労働時間の把握なし…始業時にアルコール検知の検査が行われる以外に、労働時間の把握が行われていない。

 

これって労基法違反:使用者には、実労働時間、時間外労働時間、休日労働時間、深夜労働時間を把握し、把握した時間にしたがって賃金を支払う義務がある(労基法108)、そして、給与期間中の労働日数、労働時間数などは賃金台帳に記入しなければならない(労規則541)と定められています。

 

 

 

事故の時の給与からの天引き…車の修理が必要のない事故でも賃金から10,000円天引き、車の修理が必要な時は修理代の30%まで天引き、

 

これも労基法違反?:労基法24条は原則賃金の全額支払いを定めています。労使協定で上記のような労働者負担を定めていたとしても、そこには合理性が必要です。

 

 

 

参考に

 

 タクシー運転者の労働時間等の改善基準ポイント

 

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/040330-12.html

 

相談事例 「残業代が長時間労働なのに少ないのでは」の相談です。 大手運送会社のグループ企業、過労死水準の長時間労働

 

トラック運転手のEさん、夜間中心の仕事で「これ以上体がもたない」と退職、「長時間労働の割に残業代が少ない気がする」との相談でした。

 

  毎月の基準内賃金は基本給と稼働量によって決まる職務給の構成、変形労働制が採用されていて年間所定労働時間は2028H、月169Hでした。

 

 

 

 給与明細一年分から見て、法定休日出勤が一日あるのに法定休日残業時間にはなく100/135の法定休日残業手当に反映されていない月がひと月あるようです。それ以外は時間数通りに支給されていました。

 

はたらき方にいくつかの問題がみえてきました。

 

 

 

2月休めた日はわずかに2日、休日出勤を含む残業時間は112Hで別に法定休日出勤が3日で39H22時から翌5時の深夜労働時間は112H、過労死認定基準を超える労働ではないでしょうか!

 

●トラック運転手さんの場合、積み込み待ち時間などの待機時間がつきものです。Eさんの日々の労働時間計算がどうだったか、給与明細からだけでなく運転日報やタコメーターから、洗い出す必要があるようです。

Eさんの年間労働時間(給与明細から)

 

 

 

平日出勤日数

休日出勤日数

法定休日出勤日数

休日日数

普通残業時間数

法定休日残業時間数

深夜残業時間数

252

45

15

51

969.2H

131.8H

1033.2H

Eさんの毎月残業時間数(休日含む)

 

 

 

 

1

2

3

4

5

6

一年間の合計残業時間数(休日・法定休日含む)

96.5H

151.0H

128.8H

116.5H

78.8H

95.8H

7

8

9

10

11

12

66.1H

81.0H

96.5H

72.5H

51.5H

74.0H

1101.0H